イギリスの不動産投資について

別の記事でも紹介しましたが、イギリスはインフレを続けており年約2~3%づつ上昇しています。不動産についても基本的には全物価に沿うかもしくはそれ以上の上昇を示してきているようです。日本、イギリスでの滞在経験を元に、イギリスの不動産の私の印象を記載したいと思います。

日本では例えば不動産価格が5000万円のマンションを買い、賃料が20万円程度であれば粗利回りとして4.8%程度が期待できます。年数の経った中古マンションであれば、不動産取得価格はより低くてすみ、10%程度の粗利回りが期待できることもあります。この際に銀行から借りた金利と物件維持費用を引いたものが、毎月および毎年、不動産収益として実際に得られることになると思います。日本の銀行からの低金利での借金が、この不動産収益の前提とも言えます。仲介会社に大家が仲介手数料払っても礼金で相殺が可能です。自己資金率が低くても低金利により、影響を受けにくいのが特徴と言えそうです。

しかしイギリスでは1億5000万円のフラットを買っても、賃料はおよそ30万円程度であり、粗利回りとして2.4%程度になります。上述の不動産収益としては金利および物件維持費が気になる所ですが、イギリスでは預金の利息でも1~2%が得られる事が多いため、推測にはなりますが、借入金利はそれ以上であると思われます。また物件も新築物件よりも中古物件、それも1800年代、1900年代以降の建物を対象とする場合が多いため、水廻りを中心として日本人の想像を超える頻度と程度で故障が発生します。また賃料の12%程度はテナント(入居者)を見つけたエージェント(仲介会社)に払いつづけなければなりません。物件管理も依頼する場合はさらに6%程度払う必要があるようです。残念ながらイギリスには礼金はありませんので、相殺することはできません。ですので、仮に物件購入費用の大半を借り入れで不動産投資を行なった場合は収益をあげることはできないと思います。

ではどこにリスクに見合うメリットが、イギリスの不動産投資にあるのでしょうか?私は物件自体の価値上昇によるもの(キャピタルゲイン)にあると見ています。例えば4−5年で10%の物件価格の上昇が得られれば年2~3%程度の利回りが得られることになります。また自己資金率が低いと、借り入れ金利により収益への影響は大きように思われます。(日本と同じように居住用物件には低金利借入があるようですが)

日本の感覚からすればどこかでこのバブルが弾けるのではと思ってしまいますが、あまり現地の人は気になっていないようです。またイギリス政府は老後の年金として、イギリス国民に住宅購入を積極的に勧めているようですので、この不動産価格上昇の傾向はイギリスでは一般的なもののようです。

結論ですが、一時的な留学生としては、運用は銀行に任せた普通預金金利による収益が、リスクのない自己資金に見合った投資と言えます。

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外貨送金

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